潮汁という汁物は全国各地の郷土料理として存在している立派な吸い物だと思う。
基本 魚に塩をまぶし寝かせ
その魚を煮込み味付けは塩漬けの魚の塩分で味付けするシンプルながら繊細な料理だと思っている。
上手に美しく美味しく作るのにはかなり技術と経験が必要になる。
こういうシンプルで難しい料理が
料理人にとってやりがいのある仕事だと思う。
大阪の方では塩サバを使った舟場汁
石川の方ではブリのカス汁など全国に色々な潮汁がある
北海道では石狩汁として味噌味で仕上げる物が有名だけど
塩鮭で作る『三平汁』と言うものも
北海道を代表する郷土料理だ
場所によって使う具材など様々だけど
ジャガイモ 大根 にんじん 生姜 ネギ いんげん など具沢山な鍋の様な物もあるが
料理屋のお椀として出汁を楽しませる一品として自分は考えて作っている
(椀 刺 わん さし)と言う言葉があるのだが…お椀は日本料理のメインの一品だ…昔の話しになっているかもしれないけど
昔の修行時代は皿洗いや掃除などから始まり魚の下処理から魚を捌く
それから焼き魚の切り身を切り
その次その次とステップがあり
やっとお刺身を切らせてもらえる様になるものだった!
そもそも魚の前に野菜を切れる様にならなければいけない!
お出汁の仕事や煮物の仕事はその更に先にある仕事だった。
気が遠くなる。
話しがそれまくるが、それほど
お椀の仕事と言うのは気合いが入る
そして喜んで頂きたい。
魚の塩漬けと野菜を酒と水と昆布だけで火を入れて仕上げる
出汁は透明なまま一切濁らせず
味はクリアで生臭さは無い状態
まさに職人仕事だなって思う。
本来 捨ててしまう様な魚の骨をご馳走にする良い仕事だな!